夜タクシーに乗務していて若い子達から一番多い質問は『何か怖い体験とかした事あるんですか?』というような心霊的な現象を期待した質問をされます。
ボクは基本的に心霊現象的な事は信じていないので、何らかの現象が起こったところで、自分なりの落としどころを見つけて解決してしまうタイプの糞野郎なので、心霊現象的な事を期待されても答える事が出来ないんですよね。
ですので今日の内容は心霊現象とは全く関わらないタイプの怖い話を書いていく事になるので、期待していた方はがっかりしながら続きを読み進めてみるか、すぐさま離脱する事をお勧めします。
今日も安全運転で腕挫逆十字!という事で毎度おなじみシィ坊(@shiybou)が更新してまいります。
タクシーでよく質問されるのは怖い話?
ボクはタクシードライバーになって3年間はお昼の勤務をしていたのですが、それ以降を夜勤勤務をしています。
その時に最も質問されたうちの一つが『夜タクシーに乗ってて怖い目にあったことってありますか?』というものです。
多分タイトルを読んだ方もそうだと思いますが、心霊的な話しの『怖い』という事を意味していると思う方が大半かと思いますが、心霊体験みたいな事って中々起こらないですよね。
確かにボクの先輩で心霊体験的な事を経験したとおっしゃっていた方もいるのは事実ではありますが、実際どうなのかはボクが体験しているわけではないので、まゆつばものですよね。
そんな先輩たちがこぞって口にする事があります。
『このメーターどないすんねん!?』
そうです。
多分幽霊的な何かを乗せてしまってメーターを押してしまったのでしょう。
ボクの勤めている会社では、空でメーターを押してしまったら自腹で清算しなくてはいけませ。
2020年4月28日の時点で兵庫県のワンメーターである660円で被害が済んだ方はまだ笑えるでしょう。
しかし被害が数千円になってしまったら、怖かっただの何だの言っている場合ではありません。
以前投稿したブログの都道府県別ランキングを見て頂ければわかると思いますが、私も同じ状況になったら『怖かった』と思うより『何してくれてんねん!!』としか思わないと思います。
多分それが極自然なタクシー乗りの反応なのではないでしょうか。
お金を稼ぐ為に仕事へ出てきているのにも関わらず、自分の財布から自分のタクシーの売上を出すなんて馬鹿げていると思いませんか?
幽霊に出会ってしまったという恐怖よりも怒りが上回ってしまうのは当然の事なのかもしれません。
怪談話しなどでよく聞く体験をしたらどうなるか
まず、賃金に関しては前述の通り自腹になるのですが、よく聞く『後部座席が濡れていた』とかなった日には目も当てられません。
それでなくても空発させてしまったメーター分を取り戻す為に仕事がしたいのに、シーツ交換のために一度入庫しなくてはいけません。
これは勿論心霊的な事意外でもそうですが、汚れたらシーツ交換の為に一度会社に戻らなければなりません。
ただただ面倒臭いですね。
私の場合はシーツを派手に汚されたらそのまま入庫して帰っています。
心霊体験をした上に、お金まで自分で払わされてその上入庫してシーツ交換となってしまうと、怖いとか怖くないとか言う以前にやる気なんて湧いてくるはずがありませんよね。
これがタクシー運転手が最も嫌う心霊体験の理由だとボクは思っています。
ボクが答えていた恐怖体験
冒頭部分にも書いていたのですが、ボクは基本的に心霊的な事は信じていません。
そんなボクがお客様に聞かれて答えていた恐怖体験があります。
それはボクが夜タクシーに乗りだして間もない頃でした。
時間は17時前後の黄昏時。
ボクの前を走る一般車両は普通に走っているにもかかわらず、前を走るタクシーだけが何かを避けるように走っていました。
ボクは何も考えず普通に走っていましたが、タクシーが避けているあたりに差し掛かると手が上がりました。
当然何も考えていない私は、何も考える事無く手を上げたお客様の前に停まりました。
ドアを開けた瞬間にボクは自分のやらかしたミスに気が付いて絶望感に浸ってしまいました。
そこには明らかに堅気の商売をされている方とは違う出で立ちのお兄様が2名立たれています。
流石にドアを閉めて走り出すわけにもいかず、不本意ながらご乗車していただく事になりました。
行き先は神戸空港。
『30分以内に到着しなかったら殺す』とさも当然のようにあっさり言われたのですが、そんな事でいちいち殺されたら命がいくつあってもたりませんよね。
幸いな事に乗車位置から神戸空港までは15分もあれば十分間に合う距離でした。
不覚にも見落としてしまっためざまし占いでは確実に1位を取っていたに違いないと思える程ボクはラッキーでした。
帰宅時間と重なって道が渋滞している事以外は。
まず第一の問題は進行方向が反対という悲しい事実です。
Uターンしなければいけないわけですが、交通量の多い幹線道路では思うほどあっさり回れません。
しかし命が掛かっているボクはお構いなしです。
クラクション固定でジワジワUターンしてやりました。
あの時周りにいた一般車の人に是非ともお会いして直接お詫びをしたい気持ちはあるのですが、いかんせん知らない人ばかりだったので、涙を吞んで諦めるしかありませんが、これを機会にここに書いてみましょう。
ご迷惑をお掛けしてすいませんでした。
これでボクの胸に閊えている物が取れたような気がするので続きを書きます。
Uターンした所までは良かったのですが、回った瞬間から渋滞しています。
こんなもんどうしようもないので、とりあえず動くのを待っていたら後ろからドスの聞いた声で言われました。
『右折レーンから前に行かんかい!』
偶然って恐ろしいもんですよね。ボクも丁度その時右折レーンから前に行こうと思っていたんですよ!何ならボクの方が先に思っていましたからね。えぇ!本当ですよ!
しかしボクは曲がりなりにもプロのタクシードライバーなので、やはりプロ意識というものもあるじゃないですか。だから違反はしたら駄目なんですよ。行くわけにはいかないんですよ!
しかしそんなボクを見てお兄さんは『はよ行け言うてるやろ!ほんまに殺すぞ!』と椅子をグイグイ押しながら言ってきます。
ボクはわかっています。
そんな事を言った所でどうせ殺さないでしょ?こんな事でいちいち人を殺すわけなんてありませんよね。どうせ殺されるわけなんてないんだ!
そんなボクはすぐさまハンドルを右に切って右折レーンから先頭に割り込んでいきました。
やっぱり念には念を入れないとだめでしょ?ボクには愛する家族がいて、ボクの帰りを待つ可愛い子供達もいるわけですよ。
こんな糞くだらない事で間違えて殺されるわけにはいかないんですよ。
よく覚えておいてください。くだらないプロ意識や無駄なプライドの為に命を落とす奴は馬鹿だと。
ボクはそれから間違えて殺されるわけにはいかないという思いで、いかにして30分以内に神戸空港まで現着するかという事だけを考えて走りました。
何とかお客様ご指定のお時間までに到着できたのですが、あと数分遅れていたら何をされていたかわからないという思いから、今までに味わった事の無い安ど感を味わいました。
私が体験した最高の恐怖体験がこれになります。
心霊云々あるとは思いますが、まさか命の危険にはさらされる事は滅多にないでしょう。
次回予告!
一応今回はボクが一番怖かった事を書かせていただいたのでこの様な無残な結果となってしまいました。
という事で次回は二番目に怖かった話を書かせていただこうかと思います。まぁ怖かったと言うよりも不思議だった出来事と言っておいた方がいいかもしれません。
落ちが弱いので、今まで余り多くの方にお話もしていないし、ここに書く程のパンチ力がないかもしれませんがこんな事も一応あったんですよ程度に書いてみたいと思います。
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