柔道で負ける時はどういう時かは柔道経験者なら当然知っているはずですし、未経験者でも何となく想像がつく事だと思います。
基本的に一本を取られたら負けなのですが、技あり等のポイントを取られている状態で時間が経過してしまっても負けとなってしまいます。
ではどうすれば負けないのかを考えてみると答えはとても簡単な事になります。
投げられなければ負けません。
とは言え受けばかり強くても攻める事が出来なければ反則を取られて負けてしまいますよね。
今日はまず反則を取られて負けるという事は置いておいて、いかに投げられない様にするかという事を書いていきたいと思います。
すぐに投げられる人の共通点
単純に体重が軽いからというのは基本的には理由になりません。
当然力の差や体重差が大きければ大きい程投げられやすくなりますが、それが全てという訳ではありませんし、個人戦は基本的に体重別なので無茶な体重差はないと思います。
私の見ている限りですが、投げられやすい人は共通の癖があるように感じます。
では私の感じる共通点を書いていきたいと思います。
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足さばきがほぼ歩行
投げられやすい人の特徴の1つとして、すり足が全然出来ていないという事があります。
試合中に散歩にでも出かけているのかと思う程普通に歩いているひとは得てして投げられやすい傾向にあります。
理由は簡単で、目で見ただけでどちらの足に体重がかかっているか、どちらの足に体重を移動させようとしているかがわかってしまうからです。
足を下ろそうとした瞬間に足を飛ばされて投げられるのは当然と言えば当然だと思いませんか?
相手にしゃくられてバタバタとしてしまう人は足さばきを練習する必要が大いにあります。
時々足が揃う、クロスする
基本的に足を揃えて立っても良い事はありません。移動中に足がクロスするのも当然ですが良い事はありません。
先述のバタバタと歩く事以上に致命的な問題かもしれないほど重要な問題です。
横に動く時に足が揃ったり、送り足が軸足を追い越してしまったりした時に技に入られると防御姿勢に移行するのが遅れてしまい、そのまま技を受けてしまって投げられるという事になってしまいます。
これも足さばきの練習をしっかりして、どんな時も足が揃ったりクロスしたりする事の無いようにしておきましょう。
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体が伸び切っている
人は基本的にこれ以上体制が崩れたらこけるという限界があります。
それは別に柔道をしている時だけではなく、歩いていてつまずいたときや、電車に揺られている時などでもそうです。
柔道はその限界の体制を作ってから技に入る事を基本としているわけで、体が伸び切っていると限界の体制になるまで余裕がそんなにありません。
相手が体制を崩しに来ているのを崩しきられる前に体制を戻すのが組んでからの攻防になるので、膝や腕を曲げて限界までの余裕を作っておかなければ簡単に限界まで崩されて投げられてしまいます。
特に膝は十分ゆとりを持っておかなければいけません。しかし異常に曲げすぎると今度は動きにくくなってしまうので、自分がうごきやすくて、かつ膝が十分まがっている体制を探してみてください。
こればかりは人が見てもわからないので、自分でどれくらいまで曲げれば動きも良いかを判断してください。
やたらと力んでいる
別に技をかけるわけでもないのにずっと力んでいる人もまた投げられやすい傾向にあります。
力んでいる人は大抵引手と釣り手を自分の方に強く引いています。強く引こうと思えば思う程後ろに体重がかかってしまい、後ろの技に対しての防御が弱くなってしまいます。
しかも力んでいる人はどうしても急な事態に対しての対応が遅れてしまいます。
どうしても力を入れたい人は後ろではなく下に力を入れる様にすれば、相手の動きを制しやすくなりますが、結局攻撃をしようと思っても真下に引く技は無いと思うので大して意味はありません。
変に力を入れ過ぎず、技に入る時に一気に力を込める方が私は良いと思っています。
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投げられない為にはどうしたらいいか
上記の投げられやすい傾向がある人の特徴が自分に当てはまる場合はまずそこを直す事から始めてください。
柔道を始めたばかりの方は自分の試合風景の映像を誰かにとってもらって、自分の形を客観的にみてみましょう。そして上記に当てはまる事項があるかチェックしてみてください。
では今度は投げられない為にはどうしたらいいかという事を書いていきたいと思います。
投げにくい体制を作ってやる
少々格下の相手だったとしても、良い形で技を受けてしまったら投げられてしまいます。
ですので、投げられない為にする事は相手に良い形で技をかけさせないという事です。
相手の入ってくる技によって動きが異なってくるので分けて書いていきたいと思います。
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背負い投げ、一本背負い投げ等の担ぎ技
基本的に担ぎ系の技は深く入られれば入られるほど投げられやすくなります。
という事なので、深く入られない様にしなければいけないという事はわかっている事だと思います。
ではどうしたら深く入られないか。
入り込んで来ようとしている腰やお尻あたりに膝を当てて止めてやる。
決して膝蹴りをしろと言っているわけではないので勘違いしないで下さいね。
足を浮かせて膝を出すと膝蹴りになってしまうので、右組なら右足を、左組なら左足(相四つの場合)を半歩前にだして膝を曲げてやれば綺麗に腰あたりが入ってきてくれます。
障害物に当たって最後まで技に入りきれないとなれば、相手は戻ってくれます。
しかし連絡技等でまぁまぁ体制が崩れている時に入られてしまってしっかり技を受けてしまう事もあるでしょう。
その時は右の技なら左へ、左の技なら右へ一歩動いてみてください。一歩出す余裕がなければ体重を移動させるだけでも構いません。そうすると相手が予定していた場所と違う場所に腰が入ってしまうので、良い形で技に入られません。
想像すればどの様な形になるかはわかると思いますが、仲間と投げ込みをしている時にでも一度試してみてください。
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払い腰等の腰技
これは入ってくるタイミングを見て反対に体重を移動するという一番ベタな方法がありますが、それは基本的にオススメできません。
何故なら私は払い腰が得意技の一つなのですが、払い腰以上にポイントを取れていた技が払い腰をフェイントにした反対の支え釣り込み足だったからです。
私は右組手なので、払い腰に入ろうとしたら堪えようとして大抵の人は反対の左方向に体重を移動させてきます。まぁ人間右に体制を崩されそうになったら左に戻そうとして体重を移動させるのは当然の事なので、おかしい事ではないのですが、私はそれを利用して左の支え釣り込み足か膝車にはいります。
これがまぁポンポン飛んでくれるんですよね。私の経験から考えても反対に体重を移動させて堪えるというのはいい方法とは思えません。
ですので、相手が払い腰などをかけてきたら、一歩前に出てあげましょう。
そして出来れば両腕で相手を押してあげましょう。すると体制がくずれるので、最後までかけ切ってくる事はありません。
受ける瞬間に余裕があれば、相手が右組なら左前に、左組なら右前に一歩出てやれば、相手の体制をより崩せるので、後ろの返し技に移行しやすいので、試してみてください。
後ろの技の場合
大外刈りなどの様な後ろに来る技は、受けてしまうと堪えるのが中々難しいので、綺麗に入られるのは避けなければいけません。
あえて前に踏み込んで深くまで入らせてやるのもまた投げにくいので悪い防御の姿勢ではないと思います。
しかし同じ受けるなら出来るだけ反撃体制を整えておいた方が良いですよね。
という事で、大外刈りや大内刈り等後ろの技に入られたら自分の釣り手を使って相手のアゴを上げてあげましょう。
前に出ようとしている人のアゴを上げると、当然ですが重心は後ろになりますよね。相手は前に対して力を入れようとしているのですが、アゴを上げられると前に出られませんので、入りきらずに戻る傾向があります。
しかも重心が後ろなので、そのまま大外返しに移行する事も可能です。
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負けにくいですが、お勧め出来ない方法
負ける場合は相手に投げられるという事を前提とした場合、負けにくい方法は存在しています。
相手の技を堪えようとしてもどうしても耐えきれない時ってありますよね。
もしも堪えきれなくて飛んでしまった場合に出来るだけ負けない方法は受け身をしない事です。
受け身は投げられた場合に怪我をしない為にするものなので、本当は受け身をしなければいけないのは皆様ご存知かとは思います。
しかし、大して綺麗に決まっていない場合でも、綺麗に受け身をしてしまったら一本を取られる事もありますよね。
という事はその反対で、綺麗に決まった技でもグチャグチャっと落ちた様に見せる事が出来れば一本の判定が出ない場合もあります。
お勧めはしませんが、私も勝負を意識してやっていたので、基本的に受け身はとりませんでした。
海外の選手が強くなってきている理由
最近は海外勢が強くなってきているのはご存知だと思います。
日本人とは骨格から違う体の出来た選手が多く見受けられるのは当然ですが、日本人選手の育成方法と海外選手の育成方法が違うからとも言われています。
日本人選手は一本を取る美しい柔道を教えているので、どちらかと言えば攻めを教えている場合が多いです。
しかし海外の選手は負けない柔道を教えている場合が多く、いかに一本を取られないかという守りの柔道を教えている場合が多いそうです。
その上最近では日本人コーチを招いて技を教えている国が多くなってきているので、守りも攻めもしっかり出来る選手が増えてきた様に感じます。
国際ルールの改定が進められ、一時期言われたレスリングのような技をかける事が反則となった今では、海外選手も技を磨かないと勝てないですからね。
日本人よりも体型的に優れていて技も同等まで上ってくると、今後は海外勢に勝てない日が来てしまうのではないかと心配していますが、私個人的には柔道の普及と質の向上が進んで、素晴らしい試合を沢山見られるようになるのは嬉しい事でもあります。
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まとめ
今回はあえて受けのコツを書いてみました。
柔道は攻めだ!という意見もたくさんあるでしょうから、私の今回のブログが間違えていると思う方もいらっしゃるのは事実だと思います。
私は別に負ける事だけを前提として今回のブログを書いたわけではなく、勝つ為には守りも知っておかなければいけないという想いで書いただけです。
受けの練習も、技の練習と同じ様に大切な事だという事を知ってて頂ければと思います。
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